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まんが地域学習シリーズ「守ろう!みんなの東北」を読んでわかること(まとめ編)
マイクロマガジン社から9月に発刊されたこの本には、伝統工芸文化を守るための課題と対策のポイントが載っているのです。
この本の監修をした財団法人東北産業活性化センターが2004年に編集し「ふるさと力・地域ブランド力を高める伝統産業新時代!昔ながらのモノづくりが今に生きる」今こそ第2の創業へ、とのなんとも長い謳い文句で出版した本があります。あとがきには『調査をして浮かび上がってきた課題は、30年前の課題そのものであり、また企業数、雇用数、生産額とも大きく減少していることを考慮すれば、質的な変化を伴いつつ実態はより深刻化しているともいえます。』と結び付けています。その潮流はこけし産業においてはいまもって変わっていませんし、新型こけしは消滅寸前です。さらに調査したところ、これまで探索したいくつかの大学のこけし産業に関する研究論文では課題の実態がつぶさに報告はされてはいるものの、示された解決策は希望的な方向性を述べるだけのざっくりした内容でしかなく、真の課題解決に結びつけられるとは思えませんでした。
そんなもやもや感を持ったままでいたところ、新型こけしの存在に興味を持って戴いたマイクロマガジン社が出版したこの本を読んでみたら、現代的なより実態に即した対策が示されているではありませんか。これこそがゆこけし研究所でやろうとしていることの道標になります。
これをより具体化して一歩づつ進めていこうと思います。
その1)衰退する悪循環を断ち切りたい・・・・・
①後継者がいない ⇒ 数が減るし変化がなくて魅力が落ちる ⇒ ②品物がうれない ⇒ 売値を下げる ⇒ ますます後継者がいなくなる
この循環の中で最も肝になるところに思えたのは、やはり「売値」です。
その2)ではどうやったら守れるのか・・・・・
①世界に広める ⇒ SNSやネットショップで単に広めるだけでなく、魅力を正しく伝えて適正な価格を知ってもらう。
②子どもに魅力を伝える ⇒ こけしは元来子どものおもちゃであるから、その原点にたちもどり新しいこけしを世に出す。
③若者に買ってもらう ⇒ 他のアートと連携して、若者の心にヒットする見せ方でこけしの開発ストーリーを披露する。
④工房が経営力をつける ⇒ 製造業40年以上の経験と、最新のIT・DXを活用した経営ノウハウを、こけし工人に伝える。
こんなことは思い付くけれども一人ではできませんので、より多くの方のご支援を賜りたくよろしくお願いします。